2011年11月29日火曜日

54の10:ゴアレーベン阻止闘争最終段階:最後の抵抗

11月23日午後にフランスのラアーグを高レベル核廃棄物の輸送列車が出発してから丸5日を経過して、ようやく2011年の第13回搬入阻止闘争も最終段階に入りました。
今日の早朝にダンネンベルクの積み替え施設に到着した輸送列車から核燃料容器11基は重量トラックに10数時間をかけて積み替えられて、中間貯蔵施設まで最後の輸送を残すのみになっています。
そこまで、ルートはふたつあり、いずれも19〜20キロメートルほどです。反原発のデモ隊も警備の警察官も、取材の記者たちも寒い中での長期戦でかなり疲労が目立っているようです。

(14)最後の抵抗
警察は今日も、一帯をデモ禁止地帯にしていますが、数多くの最後の抵抗が試みられています。
 まず農民は、仕事に出かける口実で早朝からトラクターを連ねて道路封鎖を試みています。

戦略地点ラッセでトラクターの侵入を止める警官隊:写真:Mark Mühlhaus/Attenzione

昨年はこの作戦で警察のロギスチックが妨害されたために、ことしは素早く対応していると報道されています。トラクターを巡って各地で小競り合いが起こっています。

また昨年はキャスクを搭載した車列が積み替え施設を出発しようとすと、出口近くの交差点にビール配達の偽装をしたグリーンピースのトラックが容易には撤去できない工夫をして長時間道路を塞ぐ作戦が成功しています。まるで映画のようでした。
今年は当然この作戦を警戒していましたが、それでも行われました。
DPA




 南ルートの真ん中当たりの道路上にグリーンピースのトラックが道を塞いで駐車したので、後部の扉を開けようとしても溶接してあるので、警官が車の上からスコップでこじ開けました。


車内の活動家 DPA
すると、車内には男女ふたりが道路に車内から降ろしたコンクリートの固まりに両足を固定しているのが判明。


仕掛けはこのコンクリートの固まり:写真: Mark Mühlhaus/Attenzione
 この仕掛けは昨年の大型トラックと同じ仕様であったようで、今年は小型でもあり警察は数時間で撤去に成功しています。

警備側は今日は晴天でもあるのでヘリコプターで上空からデモ隊の動きを監視し、道路上各地点にデモ隊が集まると、放水車も使って排除するいたちごっこが繰り返されました。
しかし、最後の抵抗の拠点は中間貯蔵施設の入り口に近い森の中の道路での座り込みです。これは毎年の伝統であるともいえます。朝から森の中を通って三々五々集まったのは1000人ほどです。中には昨晩からここで夜明かししたひともいるとの報道もあります。
中間貯蔵施設前の道路占拠.dapd
昨年はここの占拠による道路封鎖が最大の行動でした。今年もかなりの人数です。
今日は、積み替え施設での作業が終わる15時から警察の退去警告が出され、暗くなりつつある16時前から強制排除が始められ、ここではかなり乱暴に、1時間ほどの短時間に完全に排除されており。公共放送でも警察のやり方への批判があります。

鉄道線路ではなく平地ですので、警官を大勢一度に投入でき危険が少ないからです。手足をもたれて道路脇の森の中に放り出されてかなり痛い目に遭ったようです。
写真: Mark Mühlhaus/Attenzione
上の写真は排除が終わった後の道路上の様子ですが、ゴアレーベン阻止闘争に特有である麦わらを詰めたジャガイモ袋が放置されています。これは農民はデモ隊に配布するもので、軽くて、線路や道路上の坐り込みには便利で、警棒による攻撃のまたとない楯になるので必需品です。

先ほどついに、輸送の車列が出発したようです。今年の大闘争のフィナーレを迎た現場は非常に緊張しているとレポーターが伝えています。
(28日20時)

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