2012年4月1日日曜日

81;ベルリンでの米朝非公式会談(重複して追加あり)と上杉隆氏Takashi Uesugiのフクシマ講演会

今日は3月31日ですが、ベルリンから核と原発に関するニュースをふたつお伝えします。先週の日曜日から欧州は夏時間になり、日本との時差は7時間となりました。

1)米朝非公式会談開始される

ベルリンの西南郊外にあるこの美しい湖畔の昔の貴族の館で今は高級ホテルになっている場所で今日から非公式の米朝会談が始まっています。最新の→MBS,あるいは→NHKのニュースはその開始を現場から伝えています。ベルリンには北朝鮮の大使館もあることから、非公式会談が以前からしばしば行われ、その際は日本のメディアの取材合戦、特にテレビのそれが激しく行われますが、このような高級リゾート地で行われるのは、わたしの記憶でも初めてのことです。どんなところか興味のある方は→このコマーシャルをご覧下さい

天気でも良ければわたしも散歩がてら行ってみたいのですが、あにはからんや昨日から北の低気圧のせいで寒く、今日は時には雷を伴い雪や雹が突然降るドイツ語で言う典型的な「4月の天気/Aprilwetter」となっており、現場に張り付いている記者のみなさんも大変であると思います。
それにしても、東アジアの最大の問題が遠いこの地で協議されるのは日本の外交能力の欠落の現れでもあることを感じないわけにはいきません。 この会談の背後にはドイツ外務省の配慮があるのはもちろんのことですが、日本政府は蚊帳の外なのです。おかげで記者とカメラマンたちはふるえながら散歩もできないで数日間、風雪のなかで必死でがんばらねばなりません。本当に大変です。

(4月2日夜追加3日朝訂正追記)北朝鮮の李根アメリカ局長は昨日、アメリカ国務省の元政務次官などと対談した後、ベルリンの大使館に帰り、本日午前にドイツ外務省を訪れてローデ東アジア課参事官と意見交換をして、夕刻に北京経由で帰国の途につきました。ベルリン訪問時には、日本や韓国の記者たちに「会談が終われば結果を話します」と、北朝鮮外交館としては例外的な姿勢でしたが、帰国に際してはテーゲル空港で、記者たちに「衛星打ち上げの予定に変更はなく、気象衛星であり農業に役に立つ」との言葉を残して、中国機に消えたとのことです。
今回の米朝会談でも、一切舞台上に登場しなかったドイツ外務省での意見交換では、消息筋によれば、ドイツ側は、予告されている「衛星打ち上げ」が国連安保理決議に違反すると主張し、北朝鮮側は宇宙空間利用は国際法で合法であると主張して、解釈は平行線で終わったようです。
先ほどのNHKの北京からの報道によると北京空港で李根氏はベルリンの会談で →打ち上げに専門家を派遣するよう直接求めたとのことです:


3日経由地中国北京に到着したリグン局長は空港で記者団取材に応じ北朝鮮が今月中旬に行と予告している人工衛星打ち上げを巡るアメリカ側とやり取り一部を明らかにしました
中でグン局長は、「アメリカ側が目的衛星なかが極めて重要だと述べたに対し、『地球観測衛星打ち上げとい平和的な宙開発を客 観的に評価すべきで現場に来て見ればすべて分かるだろと伝えたと述べ打ち上げに際して専門家を派遣するよアメリカ側に直接求めたことを強調 しました
またアメリカ政府が事実上長距離弾道ミサイル発射だと反発し2月に合意した食糧支援を見合わせる構えを見せていることについてグン局長は、「人道問題だとしていた食糧支援をみずから政治と結びつけるもと述べアメリカ側姿勢を非難しました

 このように、大義名分でアメリカを振り回す外交は健在のようです。11の日の党大会、衛星打ち上げ、金日成生誕100年と今月は増々活発なそれが続きそうです。もし人工衛星打ち上げに成功し、宇宙から「金日成礼賛の歌」のメロディーでも流れたら、アメリカの面目は丸つぶれです。日本にも招待状は届いたとのことです。さてどうなりますか。
イランと北朝鮮の「核疑惑という落とし穴」に世界中が振り回される事態の解決は容易ではありません。

この報告に関する→大沼安史さんの感想に注目。特にそこで指摘されている東奥日報の社説は重要です;


ところで、1998年の北のテポドン発射が米軍三沢基地を狙ったものであり、正確に「着弾」していたことについては、以下の東奥日報の記事(社説)を参照。
  http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2011/sha20110904.html
 北はつまり、フクイチでも柏崎でも福井の原発銀座でも、どこへでも正確にミサイルで破壊する――核爆発を起こす実力を持っているわけだ。



おそらくそのとおりで、これにわたしから付け加えると、フクシマ事故のあとでドイツには韓国政府関係の視察が相次いでいます。理由は簡単明瞭で、フクシマ事故で、原発が狙われるといとも簡単な通常兵器やサボタージュで北の核兵器よりも恐ろしい「汚い核兵器」に化けることがわかったので、できるだけ早く自然エネルギーに転換したいとのことです。すなわち、韓国も「原発の落とし穴」に気づいてこりゃいかんと震え上がっているのです。

先ほど気づいたのですが、李根局長は昨日のドイツ外務省訪問の際、ドイツ公共第一放送→ARDの単独インタヴューに応じています。
 この「われわれは誰も挑発しない」とのタイトルのインタヴューで李根氏は「衛星打ち上げは、金日成主席の生誕100年記念への贈り物であるから中止はできない」、「われわれはこれで誰にも脅威を与えたいとは考えておらず、人道的援助をこれにかこつけて政治問題にしているアメリカの姿勢は間違っている」、「ドイツ外務省の援助に感謝し、これからも対話を続けるつもりである」と述べています。そして「ロケット発射は不可避であるようだ」というのがARDのコメントです。

このインタヴューは、昨晩のニュースでは放映されておらず、インターネット版だけであったので気づきませんでした。冒頭の場面で外務省正門前で寒さに震えている日韓の記者のみなさまの様子がでてきますが、みなさま本当にご苦労様でした。無念なことに日独の外交力の差がここでも如実です。

2)次にベルリン在住の皆さんへのご案内です。

今回は、4月13日金曜日に、日本の闘うジャーナリストである→上杉隆氏をベルリンに迎えて、ドイツ放射線防護協会、独日平和フォーラム、IPPNWドイツ反核医師の会の市民団体が協賛しての講演とディスカッションです。テーマは「日本の原子力惨事/自然と社会と健康への影響」です。

上杉氏は報道の自由を求めて→自由報道協会を結成し、代表として永田町の中枢で健闘を続けている闘志です。わたしもお会いしたことがないので楽しみにしています。
こぞってご参加下さい。

以下招請状です;

Sehr geehrte Damen und Herren,
Liebe Freunde,

am Freitag, den 13. April 2012, findet eine Vortragsveranstaltung mit dem japanischen Journalisten Takashi Uesugi und dem Präsidenten der Gesellschaft für Strahlenschutz, Dr. Sebastian Pflugbeil, statt. Das Thema lautet: "Die Atomkatastrophe in Japan - Folgen für Natur, Gesellschaft und Gesundheit". Die anschließende Podiumsdiskussion wird von Prof. Eugen Eichhorn moderiert.
Nähere Informationen in der Datei im Anhang.

Wir hoffen euch zahlreich begrüßen zu können! Bitte leitet die Ankündigung auch an Interessierte weiter!

Mit freundlichen Grüßen,

David Beudt
im Auftrag des Vorstands
Deutsch-Japanisches Friedensforum Berlin e.V.


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