2012年6月17日日曜日

94:ドイツでも大飯再稼働反対の抗議を大きく報道/日本は地震と津波を法律で禁止したようだ

6月15日の首相官邸前での→1万人抗議行動は、市民運動の中継や動画投稿などで明らかなのですが、日本の主要メディアでは相も変わらず、無視かほんの小さな扱いのようです。  しかし、それは日本だけであり、ドイツでも昨日の野田政権の大飯原発再稼働決定に反対する抗議運動をもれなく電子版で大きく報道しています。

→シュピーゲル誌は16日、多くの写真を掲載して、首相官邸前での抗議が10000人であると東京の外国通信社報道を引用しつつ多くの写真を掲載しています。
 その内の二つを借ります。日本では決して見られないでしょう。メディアの視線の差です。(「どうしてだ?」との問い合わせがあります。簡単に言えば、カメラマンが市民の表情に自己確認を行っており、送られてくる写真を編集のデスクも同じことを感じて扱うからです。その差が現れているのです。=18日追加)
首相官邸前での抗議行動 写真はロイター
タイでは日本大使館の前で日本人の赤ん坊も抗議 ロイター

同誌は「ここで二基の原発を再稼働させることは、日本の強力な原子力ロビーの勝利であり、(野田政権の)電気料金高騰を懸念する産業界への屈服である」と論評のうえ、東京のアメリカ系の大学の学長の「来年までにかなりの数の原発が再稼働するだろう。野田政権は驚くべきほどこれに熱心ですから」との見方を伝えています。

また、保守派の→フランクフルター・アルゲマイネ紙は「抗議にもかかわらず日本は原発を再稼働」との見出しで報道。「最近の世論調査でも日本人の過半数が反原発であり、脱原発の意見は急速に増加している」と伝えています。

野田首相の記者会見での「国民の生活を守るために再稼働を決断する」との発言を伝える先日の→シュピーゲル誌電子版(6月8日)の報道に寄せられた読者のコメントのひとつに「察するに日本では地震と津波をこの間、法律で禁止したのかもしれない・・・? ." Vermutlich wurden Tsunamis und Erdbeben in Japan inzwischen gesetzlich verboten・・・?」 とありました。

「それでないと、フクシマの後に原発の再稼働を容認できるわけがないではないか」との健全な認識がある発言です。野田首相の判断がいかに非常識で支離滅裂であるかを、このドイツ市民はちゃんと見抜いて皮肉っています。このようなユーモアのセンスのある批判力が日本の社会に根付くことが非常に大切です。

(追加17日)17日付の全国各紙の社説と論説を読みましたが、これほど世論と政権の乖離が見られるのはわたしの記憶でもあまりないことです。日本国民は政治家の無能力と堕落ぶりをようやく認識しつつあり、自らの手に政治を取り戻そうとしつつあるようです。これ以上政治の無責任を許せば、明日にでも突然、命と財産が失われることを知ったからです。

(追加18日)琉球新報は本日の社説で →「原発再稼働 政府による恐怖の強制だ」と怒りを込め、かつ日本の新聞の中では最も突き放した客観的な批判をしています。同紙はすでに16日の社説で→「政府説明は矛盾だらけだ」と切り捨てています。実に全うで日本の市民の圧倒的多数の意見を表明しているものです。

この社説を読んで「熊さんと八っさんのなぞなぞ」を思いつきました。
熊さん
「大飯原発再稼働とかけて何と解く」
八っさん
「節電の妙案と解く」
熊さん
「こころは」
八っさん
「背筋がゾーと寒くなり、クラーもいらねえ」

冗談はさておき、次回の報告として、次回には重要な日本での講演会の予定をお知らせします。ドイツから重要な人物が訪日し、内部被曝について→世界最高の知見をお知らせします。特にこの問題を理解しようとする各社のジャーナリストの皆さんにとっては千載一遇の機会であることは間違いありません。

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