2012年8月4日土曜日

109:原子力規制委員会人事案は違法であるから撤回せよ/ 脱原発弁護団全国連絡会の緊急要請/追加:脱原発デザイン最優秀候補作品も登場


ここでも紹介しました脱原発を担う脱原発弁護団全国連絡会の弁護士のみなさんの野田原発推進政権への緊急要請文です。
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遅くなりましたが、以下追加情報として海渡雄一弁護士による記者会見と声明の背景説明の解説の二つのビデオをご覧ください。 いかにでたらめなな違法人事案であるかがよく理解できます。(8月20日追加)

8月7日緊急記者会見
→原子力規制委員会人事案は違法

8月11日ニュース・コメンタリー
 → 原子力規制委員会委員人事は違法


以下引用

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原子力規制委員会委員長及び委員候補3名の人事案の撤回を求める緊急要請

 内閣総理大臣 野田佳彦 殿
 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力行政担当)細野豪志 殿  
経済産業大臣 枝野幸男 殿
 
                        脱原発弁護団全国連絡会
                             共同代表 河 合 弘 之
                        同 海渡雄一 
                        事務局長 只 野 靖
                        
                        2012年8月1日
  第1 はじめに


脱原発を志向する全国140名余の弁護士有志で構成される私たち脱原発弁護団全国連絡 会は、政府が2012年7月26日に国会に提示した原子力規制委員会の委員長及び委員の 人事案のうち、田中俊一氏及び更田豊志氏・中村佳代子氏については、以下に述べるとおり、 原子力規制委員会設置法(以下「設置法」という。)及び内閣官房原子力安全規制組織等改革 準備室名義の平成24年7月3日付「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」(以 下「7月3日要件」という。)が定めた原子力規制委員会委員長及び委員の欠格要件に明らか に該当すると思われるので、速やかに政府に対し、人事案を撤回することを求める。
 
第2 委員選任のプロセスが求められていた手続を満たしていない

6月28日に示された国会事故調の報告書は新たな規制組織の独立性について「高い独立 性:1政府内の推進組織からの独立性、2事業者からの独立性、3政治からの独立性を実現 し、監督機能を強化するための指揮命令系統、責任権限及びその業務プロセスを確立する。」 ものとし、委員の選定のプロセスについては、「委員の選定は第三者機関に1次選定として、 相当数の候補者の選定を行わせた上で、その中から国会同意人事として国会が最終決定する といった透明なプロセスを設定する。」とされた。
日本弁護士連合会は7月19日付の会長声明において、法の定める欠格要件と政府の定め たガイドラインに従うだけでなく、委員長・委員が国会の同意人事となっている趣旨を踏まえ、「候補者の原子力安全に関する過去の主要な言動を国会事務局において 収集し、国会に提出した上で、候補者を国会に招致し、その資質と識見に関して 時間をかけて質疑を行い、そのプロセスを公開し、さらに、その候補者に対する 国民の意見を聴取するべきである。」と意見を述べている。
 現在政府が進めている委員の選定のプロセスはこのような国会事故調や日弁連が必要とし
た手続を全く満足しておらず、このような形で委員の選任が強行されれば、国民の信頼は地
に墜ちてしまうであろう。
 
第3 更田氏・中村氏と田中氏は不適格である。 
 
1 法の定める欠格要件
   法7条7項は、規制委員会の委員長及び委員の欠格事由について、以下のとおり定め
  ている。
 「一~二 (略) 
 
 三 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、
外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは
核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名
称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくは
これらの者の使用人その他の従業者
四 前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の 職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者」

2 政府の定めた欠格要件
   さらに、政府は、7月3日付要件において、委員長及び委員について、上記法律上の
  欠格要件に加えて、以下の欠格要件を加えた。
「 1 就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者 2 就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定額以上の 報酬等を受領していた者」

3 原子力事業者とは
「原子力事業者」については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法 律(「原子炉等規制法」)58条1項に以下の定めがある。
   「製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者、外国原子力船運航者、使用済燃料貯蔵事
業者、再処理事業者、廃棄事業者及び使用者(旧製錬事業者等、旧加工事業者等、旧原 子炉設置者等、旧使用済燃料貯蔵事業者等、旧再処理事業者等、旧廃棄事業者等及び旧 使用者等を含む。以下「原子力事業者等」という。)(略)」
  このように、原子炉等規制法は、営利組織か非営利組織かで、区別を設けていない。こ
  れは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉が本質的に危険なものであり、営利・非営利
  に関係なく、ひとしく規制する必要があることによる。
こうした法律の趣旨及び文言からいって、原子炉等規制法がいう「原子力事業者等」 は、設置法が欠格事由とする原子力事業者にそのまま該当するというべきである。また、 7月3日文書における「原子力事業者等」についても、別異に解すべき理由はない。
 
4 委員候補の更田豊志氏・中村佳代子氏は明らかに法に定める欠格要件に該当する
  しかるに、委員候補の更田豊志氏は、現在、独立行政法人日本原子力研究開発機構の
  副部門長である。同機構は、高速増殖炉もんじゅを設置し使用済み核燃料の再処理を行
  う原子力事業者である。更田氏は、現在においても同機構の従業員であって、同氏が上
  記の政府の欠格要件に該当することは明らかである。
また、委員候補の中村佳代子氏は、公益社団法人日本アイソトープ協会のプロジェク トチーム主査である。同協会は、研究系・医療系の放射性廃棄物の集荷・貯蔵・処理を 行っており、「原子力に係る貯蔵・廃棄」の事業を行う者であり、法の施行後は原子力規 制委員会による規制・監督に服することになるのであって、法7条7項3号の定める原 子力事業者等に該当する。中村氏は、現在においても同協会の従業員であって、同氏が 上記の政府の欠格要件に該当することは明らかである。
政府は、独立行政法人日本原子力研究開発機構・公益社団法人日本アイソトープ協会 は営利企業ではないため、「原子力事業者等」に該当しないとしているようである。しか し、原子力規制委員会と同委員会の規制対象となる者との間の利益相反を防止するとの 欠格要件の趣旨は、非営利団体にも等しく妥当する。政府の解釈は、欠格要件を定めた 法の趣旨を理解せず、「原子力事業者等」を不当に狭く解するものであって、不当である ことは明らかである。
 
5 委員長候補の田中俊一氏の経歴は実質的に欠格要件に該当する
  委員長候補の田中俊一氏は、日本における原子力発電研究の拠点であった日本原子力
  研究所の副理事長まで務め、その後も上記日本原子力研究開発機構の特別顧問、高度情
  報科学技術研究機構(旧(財)原子力データセンター)の会長、顧問を歴任し、原子力
 発電の推進に一貫して関わり、2007年から2009年まで、原子力委員会委員長代
 理を務めたものである。同機構は、高速増殖炉もんじゅを設置し使用済み核燃料の再処
 理を行う原子力事業者であることは前述したとおりであり、田中氏についても、欠格要
 件に該当する。
  仮に、在任期間の点で、法及び政府が定める欠格要件に直ちに該当するものではない
 としても、上記の欠格要件の趣旨に鑑みれば、実質的には欠格要件に該当するものとい
 える。
さらに、田中氏は金額が少ないとはいえ原子力事業者から最近も相当額の報酬を受け 取っていた事実も判明しており、原子力損害賠償紛争審査会における自主避難者の実情 についての無理解な発言なども考慮すると、上記のような欠格要件を定めた法の趣旨に 鑑み、原子力規制委員会委員長候補としての適格性がないといわざるを得ない。

6 結論
  よって、更田氏・中村氏及び田中氏については、いずれも政府が定めた欠格要件に該
 当するため、委員候補を差し替えるよう求める。
 
                    (本声明に関する問い合わせ先)
                     脱原発弁護団全国連絡会
                    (東京共同法律事務所 03-3341-3133)
                      弁護士海渡雄一、弁護士只野靖
以上


原子力規制委委員会設置法
7条7項 次の各号のいずれかに該当する者は、委員長又は委員となることができない。
三 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船 を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人で あるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若 しくはこれらの者の使用人その他の従業者
四 前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する 者を含む。)又は使用人その他の従業者

原子力規制委員会委員長及び委員の要件について(内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室) 2(2)法律上の欠格要件に加えて欠格要件とする事項 1就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業員等であった者 2就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定の額以上の報酬等を受領していた者 

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原子力規制委員会ロゴマーク公募について

 8月5日追加です。

内閣官房と環境省が発足する→原子力寄生委員会のロゴマークを公募しています。

そこに寄せられたという応募作品があります。


うーん、よく出来ていますね。次の金曜デモにはこのロゴのプラカードが登場するでしょう。脱原発デザイン最優秀候補作品に推薦します。

3 件のコメント:

  1. 一ひねりの言葉でクリエイティブに意図を掲げる。
    この脱原発デザイン、笑いながら創意活性です。

    二番煎じながら、メダル仕様で私の変換。

    [ げ ん し りょく お ま も り ✖ 原 子 力 寄 生 委 員 会 ]

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  2. Fabyさま、

    「おまもり」もいいですね。これも傑作ですよ。

    ついに原子力村にも神社ができそうだ。
    日本人はホントに神頼みが好きですから。

    長崎の三菱の旧魚雷工場には何と魚雷神社があり、戦後も残っておりわたしも見たことがあります。今でもあるかもしれませんね。
    どこかに、原発神社をつくりそうな気がします。

    梶村

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  3. 梶村さま、

    追加発想:疑似エコマークの指をお金マーク◯にして、
    利権に守られた原子ムラのエゴもいれてあげましょう。

    原子力施設のなかに神棚がありますよ、きっと。
    こちらは全国に「廃核炉神社」の建立をしたいですね。
    故忌野清志郎氏も喜びそうです。

    核フェチ大臣の「私の責任」はただの願望ですな。
    陣営も一緒に廃路!

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