2013年8月13日火曜日

176:『世界』寄稿「核のゴミと民主主義」の訂正と、ドイツの「エネルギー転換」世論調査

 読者のみなさまに訂正とお詫びです。

今月8日に発売された→月刊誌『世界』9月号が、本日ベルリンに着きました。
そこで、わたしの寄稿した→「核のゴミと民主主義/最終処分立地選定法の苦闘」を読んでみると、ひとつポカがありましたので、同誌の読者のみなさまに、訂正しお詫びします。

 同稿の終わりに、ドイツの再生可能エネルギー発電の現状とその問題を解説していますが、そこにあるシュミレーションの図を掲載して、「図2は後述するシンクタンクの一〇年後の電力需給のシュミレーションであるが、ここに見られる八月の半ばの週の月曜と木曜の正午の状態がすでに起こっているのである。」(214ページ下段)とあります。
注意深い読者は、図との対照ですぐに気づかれたと思いますが、「月曜」「火曜」の間違いです。これは筆者の不注意によるものです。小さな間違いとは言え、意味が通じなくなることもあり得るので重大です。ここでお詫びして訂正致します。

ともかく、ドイツでは、特にフクシマ事故後の再度の脱原発政策と、エコ発電の急速な普及で、電力の需給構造が大きく転換中で、特に大手の電力企業が経営難に陥っています。
今週、おそらく明日か、明後日あたりに大手電力企業(RWE. Eon)の中期見通しが公表される予定ですが、原発と化石燃料発電に依存しているこれらの企業は、大きな経営危機に陥っており、かなりのニュースになることは間違いありません。日本の各電力会社も震え上がることでしょう。

そこで、お詫びのしるしではありませんが、昨日8月12日に発表され、広く報道されたドイツの「エネルギー転換」に関する世論調査の内容の一部を紹介しましょう。
2011年のドイツ政府の再度の脱原発政策が発足して2年目にあたり、ドイツ消費者同盟が世論調査機関・Forsaに委託し、この6月に1227人を対象に行われたものです。
調査の結果は→こちらが全文です

ここで使われている。いわゆる「エネルギー転換・Energiewende」という概念は広いもので、単なる脱原発と再生エネルギー発電への転換だけでなく、エネルギーの高率利用、エネルギー節約、発電施設の分散化 、二酸化炭素削減などを通して、持続可能社会を実現しようとするものです。
以下、調査から代表的なものをいくつかを取り上げてみましょう。
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*市民の80%以上がエネルギー転換を正しいとする。
エネルギー転換の目的は正しいと思いますか?
完全に正しい・43% 、どちらかと言えば正しい・39%、
全く正しくない・3%、どちらかと言えば正しくない・13%
*エネルギー転換の速度をどちらかと言えばゆっくりしていると見ている。

現時点でのドイツのエネルギー転換の進行情況は?
速すぎる・18%、ちょうど良い・26%、ゆっくりすぎる・45%
*三分の二以上の市民はエネリギー転換は利益があるとする。
エネルギー転換はあなたにとって?
明らかに利益をもたらす・25%、どちらかと言えば利益をもたらす・44%、
どちらかと言えば不利益・16%、全く不利益・6%。

調査はそれぞれに、詳しい統計を示していますが、現在のところエネルギー転換は圧倒的な市民の支持を得ていると言えましょう。
ただ最大の問題は、一般家庭の電気料金の値上がりであり、これが9月22日の総選挙後のドイツ新政権の大きな政策課題となるでしょう。詳しくは上記『世界』の寄稿を参照してください。

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