2013年12月1日日曜日

208:ベルリンで「エネルギー転換を救え」大デモ。1万6千人が石破氏の「テロ行為」で首相府を包囲

 Fotoberichte :Großdemonstration für "Energiewende  Retten!" 30.November 2013 in Berlin. Hier können Sie mehr als 120 Bilder sehen. Wenn Sie ein Bild klicken, weden alle Fotos mit Pnanoramaformat sehebar. Taichiro Kajimura

 2週間前に→お知らせ致しましたが、昨日11月30日にベルリンで、大規模な「エネルギー転換を救え」をスローガンとする大規模なデモがありましたので、以下すべてわたしが撮影した写真でお伝えします(クリックすればすべてがパノラマで見ることができます)。
スローガンは間もなく成立するであろう新大連立政権のエネルギー政策を正面から批判するものでスローガンは:
 フラッキング石油原子力代わりに太陽と風力でエネルギー転換を救え
です。全国70の地域から16000人がベルリン中央駅前に集合し、議員会館、国会周辺をデモ行進し、首相府を包囲して「原発早期全廃、化石燃料を制限して再生エネルギー促進で転換を促進せよ」と鳴り物入りで元気に絶叫しながら訴えました。

 
 なにやら日本では与党幹事長の石破茂さんとやらが→ブログでデモの「絶叫戦術はテロ行為」と脅えていまだに撤回していませんが、それなら昨日のベルリンのデモは首相府がテロ行為で包囲されたことになります。まさに日本の現政権が、表現の自由を敵視しており、民主主義を完全に否定するファシストとしての本音が出たといえましょう。
これは先の麻生大臣の「ナチスに学べ」と同じことで、論外です。

 ドイツの公共放送も参加者の声も現場から報道していますが、石破さんによればテロリストの声を伝えたことになりますね。例えば 昨晩の→公共第2放送ZDF、→バイエルン放送BRをビデオでご覧ください。ドイツの「テロリストたち」の意見が聴けます。

主催者が早速掲載した→短い動画はこちらで

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12月2日の追加です:石破氏は批判を受けて→ブログで

整然と行われるデモや集会は、いかなる主張であっても民主主義にとって望ましいものです。
 一方で、一般の人々に畏怖の念を与え、市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相容れないものであるように思います。
 「一般市民に畏怖の念を与えるような手法」に民主主義とは相容れないテロとの共通性を感じて、「テロと本質的に変わらない」と記しましたが、この部分を撤回し、「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います」と改めます。
 

と書き「テロと本質的に変わらない」との表現だけを撤回して「お詫び」しています。しかし、明らかにデモが「畏怖の念を与え」、「市民の平穏を妨げる」ので「民主主義とは相容れない」と主張しています。
これは、明らかに日本国憲法21条で保障されている基本権「集会・結社・表現の自由」を真っ向から否定する考えです。
 すなわち、石破氏の選挙運動での大音量での街頭演説も「本来あるべき民主主義とは相容れない」ことになってしまいます。
次の選挙では彼は街頭演説をどうするのでしょうか? 国会議員の皆さん、この点について石破氏に国会で質問してください。ジャーナリストのみなさんも記者会見で質問してください。
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  さて、前回で報告しましたように、11月27日、メルケル首相は社会民主党との大連立政策協定を発表し記者会見しました。

それから、3日後の30日の午後に、全国から環境保護の市民が回答をしにベルリン中央駅前に集合しました。以下「テロリスト」たちの姿をご覧ください。
駅の構内から見ても首相府を背景にすでに広場はデモ隊でいっぱいになっています。
このおじさんは、「21基の原発は停止した。稼働中の9基も直ぐ止めろ」のプラカードを持って仲間を待っていました。おおきなクリスマスツリーの周りも待ち合わせのデモ隊です。
駅の入り口では太鼓部隊が最初の準備運動。
北極から白クマもやって来て、子どもたちに温暖化で命が危ないと訴えています。
おや、日章旗もあるぞ。日本の平和運動を応援する意図が見れます。
おなじみ「どこでもフクシマ・原発即時停止!」の横断幕はやたらに多かったのです。
今回は、化石燃料を槍玉に挙げる抗議が脱原発と同時に前に出てきています。
グリーンピースは「石炭はエネルギー転換を破壊する」と、炭坑から本物の石炭運搬トロッコを持ち出しています。ドイツの環境保護運動が脱原発から次第に脱化石燃料にターゲットを移していることの現れですね。ポスト原発の動きです。

広場中央の高い排気抗によじ上り「石炭発電は病氣を広げる」と抗議する若者。彼は3時間半がんばりました。
シュプレー川の対岸が首相府です。右上はこの日の演壇のスピーカーです。これが楽団入りで絶叫しています。
子どもたちも、反原発旗を持っています。彼らはドイツの反原発運動の代3世代です。お母さんは第2代目。

さて、集会の始まり、主催者のヨヘン・スタイさんがまず演説。「市民は政府よりはっきりと早期の脱原発を望み、石炭発電を長く続けたいとは思っていない。大連立は別の路線だ。今日はこれからの大規模抗議運動の始まりである」と闘争宣言。
以下舞台からの写真です。




参加団体の挨拶の終わりは、ゴアレーベンを代表してマーチン・ドナットさんが「今でもドイツ中を原発などからの核廃棄物が日常的に輸送されている。これが停止されるまで闘う」と力強く演説。
彼は、かつて広島長崎も訪問し、フクシマからの仲間と連帯していると、わたしに話しました。日本の現状を自らのここと同じく心配しています。「フクシマの現状はホントに酷い。世界中を汚しているし」とデモしながらわたしに嘆いていました。


対岸には「再生可能エネルギーを今直ぐに」の巨大な横断幕。背景は議員会館と国会。


排気抗にふたり目が登り始めました。
各団体の出店のひとつ。「100%再生エネルギー電力」に切り替えよう。
ここでは、グリューワインという熱い赤ワインを無料でデモ隊にサービス。気温は5度以下で川沿いで寒いですら助かります。持ち出したのは旧東ドイツ軍の野戦食糧調理車です。
これで温めている。
対岸から見た集会。背後が中央駅です、排気抗も見えます。ふたりが登っている。
広場から溢れて、橋の上まで一杯です。
小さな子ども連れのお母さん。以下デモ隊のスナップです。




ようやくデモに移りましたが、主催者のスタイさん、参加者の数を道ばたで数え始めました。

以下デモ行進の写真です。これが先頭です。









このお父さんの輸送自転車の荷台には子どもが3人乗っていました。
先の総選挙で原発ロビーの与党自由民主党は惨敗し、連邦議会から消えました。その党本部の前を行進するデモ隊からも、今回は「ざまを見ろ」と無視されていました。前回のデモの時にはここが大騒ぎになったのですが。
フリードリッヒシュトラッセ駅(東京なら有楽町)にさしかかる。

緑の党は手押し車で参加していました。





左の白いのが原発の、右の黒いのが石炭発電施設の冷却塔の象徴です。





環境保護はグローバル。地球を救え!


「太陽に突っ込むテロリストはいないぞ」。原発へのテロの危険を皮肉ったもの。





死神も行進していますね。


懐かしい、「反原発ドラム缶ころがし」。

乳母車のふたりの幼児は昼寝しています。


この車椅子の女性は、今回も元気に参加。



日本人女性部隊も元気に行進しています。



ここから、右折して議員会館の通りに入る。
議席を失って議員会館から追い出された、自民党が、最近やむなく外部に設けた事務所前では、デモ隊と居合わせたと若い党員との間で、ひと悶着がありました。



 議員会館の入り口標識には、デモ通過の証拠が。
降り出した小雨に広げられた傘には「原発は人を殺す」

ブランデングルク門をよ横目にしながら、
国会議事堂脇を通過。

ここかから遠望できる首相府はですでにデモ隊に包囲され、雲行きまで怪しいですね。
まずは、遠望してからカメラは近づきます。
拡大すると左の国会から右の議員会館までデモの隊列が続いていることがわかります。




首相府正門前に来てみると、雨雲も遠のいていきました。

この日はメルケル首相は不在のはずですが、正門前にいました。

「太陽もわたしほどには放射しない(輝かない)」そうです。

死神さんも無言で正面に立っています。






日本人のデモ隊も首相府前で、カメラの標的になっていました。

この写真を撮っていたら、30年来の友人と再会。彼はニュールンベルクの教師で、ヴァッカースドルフ核燃料再処理施設反対運動以来の闘士です。25年前に一緒に日本の六ヶ所村を連帯のため訪問しました。今日はバス二台で駆けつけたとのことです。ラジカルなことちっとも変わっていません。それはそうでしょう。彼らは最悪の核燃料施設建設を見事に阻止したのですから。

 グリンピースも合流して日本を応援。
おわりに、メルケル首相がマスクを脱いで演説。ドイツのメディアでこの日の報道で、もっとも注目されたのは、このメルケル首相でした。
首相府包囲を終えて、元の集会場に帰ります。



4時頃ですが、締めくくりの集会のころには、中央駅構内のクリスマスツリーも点灯されています。その様子です。


「石炭発電を止めよう」ともう一度絶叫します。


締めくくりに、元連邦議会議員で長く環境政務次官であった、ミハエル・ミューラー氏(社会民主党で古い環境保護団体の議長)が演説。「大連立は再生可能エネルギー促進政策に再びブレーキをかけようとしている。化石エネルギーの人類に対する戦争は続いている。」と厳しく批判。「地球はもうすぐ氷山に衝突するチタニック号と同じである」。「哲学者カントは5条の道徳律を述べたが、彼が今生きていたら第6の道徳律として、人間は原子力と化石燃料利用から直ちに訣別し、再生可能エネルギーによる持続可能な社会を築くべきだと主張するに違いありません」と演説し、満場の賛同を得ました。

解散とともに、排気抗で長時間頑張った若者が、大きな拍手に迎えられながら地上まで降りてきました。
以上です。

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