2014年12月3日水曜日

276:「安倍さん、弾は一発残っとるがよ」総選挙で菅原文太さんの沖縄知事選演説を想う。投票で「市民の集団的自衛権」の行使を!

 プチナチスである安倍晋三首相の権力私物化による衆議院解散を受けて、総選挙が公示され、日本では有権者が、無理矢理に「安倍内閣延命選挙」に駆り立てられています。

この内閣の特徴は、これまでも指摘しましたが、発想がナチスのエピゴーネン(亜流)なのです。それを白状したのが→麻生発言、実証したのが→集団自衛権解釈変更の閣議決定です。
 したがって、この選挙で安倍内閣に信任を与える結果を出すと、増々本性を発揮することは間違いありません。
 
 これは、安全保障政策だけでなく経済政策でも言えます。アベノミクスがとっくに破綻していることは、先日発表された日本の国債格下げでも明白なことです。こんなことを続けていると安倍内閣は間違いなく、日本を国債金融市場で叩き売りする結果になります。株価は暴落し、わずかな貯蓄はインフレで価値を失い、貯蓄の無い人々は路頭に迷うことになることは明らかです。
 困ったことだと多くの方が心痛されていることでしょう。

 この政策とちょうど正反対の道をドイツは進んでいます。11月28日にドイツ連邦衆議院は来年度の予算案を可決しました。これはその決議投票をするメルケル首相の写真です。
28.Nov.2014 dpa
この予算案について、みなさまのNHKは、これだけはきっちりと報道していますので、それを引用させていただきます。

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ドイツで借金ゼロ予算可決 46年ぶり

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ドイツは、来年の予算を46年ぶりに国の借金に当たる国債を発行せずに編成することを決め、財政の健全化を優先して進める姿勢を鮮明にしています。
ドイツの連邦議会は28日、ドイツ政府が提案した来年の予算案について採決を行い、与党の賛成多数で可決しました。
可決された予算は、歳入と歳出がいずれも2991億ユーロ(日本円でおよそ44兆円)となり、堅調な経済を背景に税収が歳入の92%余りを占める一方、借金に当たる国債は発行しません。
ドイツ政府が新規の国債を発行せずに予算を編成するのは、旧西ドイツ時代を含めて1969年以来46年ぶりのことで、再来年以降も新規国債の発行は行わない方針です。
会で演説したショイブレ財務相は「きょう、われわれが決めた予算は未来に向けた義務でもある」と述べ、今後も財政の健全化を優先して進める姿勢を強調しま した。ただヨーロッパ経済が低迷するなか、最大の経済規模を持つドイツは、景気対策のため、より積極的な財政出動を行うべきだという声も根強く、今後、内 外からの圧力がさらに強まる可能性もあります。


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 日本の財政赤字は世界でも最悪で、安倍政権下の金融緩和で急速に増加しており最新の数字では対GDP比で、もちろん世界一の何と255%になっています。逆にドイツは健全財政政策により76%であり、来年度からこの数字をEU協定の目標である60%以下にすることが、実際に視野に入ったことになります。2013年のランキングは→こちら
 「255対76」この比率に反比例するのが、日独の国際経済での信頼度なのです。安倍政権が続く限りこの格差は急速に拡大し、遅かれ早かれ制御できない日本売りが不可避になり、日本の住民が極端な貧困に陥ることは避けられません。

 このような、戦後日本の危機の中で、唯一正気であることを投票行動で示したのが沖縄の人々です。先の知事選挙で、安倍内閣に待ったをかける翁長雄志知事が見事に勝利しました。
 今日、日本の友人から「これを見ろ」と新知事のサイトにある動画が指摘されました。
そこで皆さんも是非ご覧ください。
 沖縄県知事選挙戦での翁長氏の応援に最後の力を振り絞って駆けつけた、菅原文太さんの沖縄での11月1日の演説です。


菅原さんが残念ながら先日亡くなったことは一昨日から大きく報道されていますが、この彼の最期の演説の動画は今や追悼の意味も持つことになりました。

 もし、菅原さんがお元気であるならば、おそらく「日本を勝手に売り飛ばそうとしている裏切り者」である安倍晋三氏に向けて「安倍さん、弾は一発残っとるがよ」と発言されるのではないかと想わされました。

 今回の総選挙で、日本全土の有権者が、この菅原さんの遺言ともいえる「一発の弾」を胸に積極的に投票してほしいと願わずにはおられません。これこそが民主主義社会での「市民の集団的自衛権」の行使なのです。
 貴重な権利を放棄してはなりません。 ここ数ヶ月、この権利の獲得のために、香港の市民たちが、見事なまでの非暴力抵抗運動を続けているかを見ればわかる権利です。
 日本のその有権者としては、それは義務ともいえましょう。棄権は事実上の「裏切り者」の行為ともいえます。

 愛媛の友人からは、この演説の文字起こしと、文太さん逝去に際しての、文子未亡人が発表したコメント全文掲載の新聞記事も送られてきましたので、感謝とともに転載させていただきます。
 以下転載
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菅原文太

「沖縄は、何度来ても、気持ちがいいね。

 カートに乗って、楽をさせてもらったけど、80過ぎたんで、さっきの2人みたいに
走れないよ。30年前なら、あの倍くらいのスピードで走ったけどね。

 今日は立候補して、ピッチャー交代、知事交代、ということで押し掛けてきまし
た。

 プロでない私が言うんだから、あてになるかならないか分かりませんけど、政治の
役割はふたつあります。

 ひとつは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。

 もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと!

  私が小学校の頃、戦国少年でした。なんでゲートルを巻いて、戦闘帽をかぶっ
て、竹槍持たされたのか、今振り返ると、本当に笑止千万です。

 もう二度と、ああいう経験は子どもたちに(させてはいけない)、子どもたちだけ
じゃない、あの雨のなか、大勢の将来大事な大学生も戦地へ運ばれて、半数が帰って
こなかった。

 今の政府と、本土の政府ですよ、仲井眞知事は、まさに戦争が起きること、戦争を
することを前提に、沖縄を考えていた。現知事は、今、最も危険な政権と手を結ん
だ。沖縄の人々を裏切り、公約をほごにして、辺野古を売り渡した。

(そうだ!の声)

 古い映画だけど、「仁義なき闘い」に、裏切り者の山守(やまもり)、覚えてらっ
しゃらない方もい るかな?

(覚えてるよー!の声)

 映画の最後で、『山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発残っとるがよ』というセ
リフをぶつけた。

 その談でいくと、『仲井眞さん、弾はまだ一発残っとるがよ。』 と、ぶつけてやりたい。

 沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も、空気も風も、すべて国家のものではあり
ません。

 そこに住んでいる人たちのものです。 辺野古もしかり!

 勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ。
 

 まあそうは言っても、アメリカにも、良心厚い人々はいます。中国にもいる。韓国
にもいる。その良心ある人々は、国が違えど、同じ人間だ。みな、手を結び合おう
よ。

 翁長さんは、きっと、そのことを、実行し てくれると信じてる。

 今日来てるみなさんも、そのことを、肝に銘じて実行してください。

 それができない人は、沖縄から、日本から、去ってもらおう。

 甚だ短いけど、終わり」

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菅原文太さんの妻文子さん コメント全文 小さな種を蒔いて去りました

デイリースポーツ 12月1日(月)

映画「仁義なき戦い」「トラック野郎」などのシリーズで人気を博した俳優の菅原文
太さんが11月28日に転移性肝がんによる肝不全のため亡くなっていたことが1
日、分かった。宮城県出身。菅原さんは最近は福岡県福岡市内に住み、家族によって
密葬が県内の太宰府天満宮祖霊殿で営まれた。妻の文子さんが報道各社にFAXで心
境を明かした。全文は以下の通り。

「7年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち『朝に道
を聞かば、夕に死すとも可なり』の心境で日々を過ごしてきたと察しております。

 『落花は枝に還らず』と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。1つは、先進
諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること 。もう1粒の種
は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、
共に声を上げることでした。すでに祖霊の1人となった今も、生者とともにあって、
これらを願い続けているだろうと思います。

 恩義ある方々に、何も別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げ
ます」。
 








 

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