2018年3月11日日曜日

340:フクシマ7周年写真報告:ベルリンで「核の鎖を断ち切ろう!」かざくるまデモ Bilderbericht von KAZAGURUMA-Demo in Berlin 10.3.2018.被災者を忘れてはならない

集会開始前の予行演習に集まるデモ隊
フクシマ原発事故7周年を前にした昨日2018年3月10日の土曜日、ベルリンで恒例となった反原子力デモが今年も多彩で元気にしつこく行われました。
 わたしは昨年度だけは風邪引きで参加できませんでしたが、2016年とそれ以前の写真報告は→こちらで見ることができます

 今年のデモは共同通信の配信で→沖縄タイムスを始め全国の地方紙がこぞって写真付きで報道しています。
 ただ、そこでは参加人数が200人となっていますが、主催者側では300人以上、配られた風車は800とされています。わたしの見たところでも、3時間を超えるデモへの参加者は延べにして300人は超えています。

 以下の写真でわかりますが、子供達も多数参加しており、ドイツの反核市民運動の世代を超えて続けられる良き伝統がここにも継続していることが確認できます。市民運動の根強さの原点です。今年のワン公の参加が2匹だけだったのは残念でした。
 
 またベルリンの公共テレビも10日の夕方のニュースで伝えています。これは日本でも見ることができると思います。毎日19時30分からの→Berliner Abendschau 10,3.2018の18分26秒から19分20秒で見ることができます。

 また年々、手を変え品を変えベルリン在住の若い芸術家たちがパーホーマンスで盛り上げますが、これについての詳しい解説は主催者の一つSAYONARA NUKES BERLINの詳しい紹介と解説をご覧ください。主催者のこの日のデモの趣旨もここで日独英語で読めます。そこには以下のような核技術に関する視野の広い要求が見られますので、引用します:
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 私たちは次のことを求めます:
1.ウラン採掘を世界中で禁止する。ウランは地中に置い
ておくべきである。
2.核分裂性物質製造の停止。しかも兵器製造目的のいわ
ゆるカットオフだけでなく、民間利用のための核分裂性物質製造も同様に停止する。
3.包括的核実験禁止条約を今こそ締結する*。
4.ドイツと日本は核兵器禁止条約を採択せよ。
5.すべての原発の停止と、新原発建設計画の破棄。
6.EURATOM(欧州原子力共同体*)契約を解消し
、再生可能エネルギー促進契約に置き換える。
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 では、以下写真ですが、解説は最低限とします。参加者の表情をご覧ください。
クリックすればすべてパノラマで見ることができます。

今や反核デモの象徴となったかざぐるま





おや、共同通信支局長熱心に取材している

思わぬ日独の出会いも

演台の上からの広場のパノラマ写真

始まりです












以下、パーフォーマンスを見る子供達の真剣な表情に注目してください。








今回は子供達も演技に参加しました






フィナーレは観衆も一緒に輪になって参加






キエフ出身の彼女が演技に加わった理由はチェルノブイリで家族が苦しんでいるからだとの挨拶がありました






毎年、子供達の成長を見るのも楽しみです



どうやらフェミニストの反核の旗のようです









アメリカ大使館もあるので今年は警察官も重装備でした


ようやく出発です














ロシア大使館前




今年のドラム隊に笛もつきリズム感が盛り上がり、警察官も踊らんばかりでした


ウンターデンリンデンからフリードリッヒ通りへ















ゲンダーメンマルクト広場を反核デモが通過するのはわたしにも初めてでした

どうやら国賓が宿泊しているらしい五つ星ホテルの前。ドイツの閣僚の公用車が止まっていました。






この助っ人に抱かれている小さなワンちゃんの参加にここで初めて気付きました







それにしてもこの人の衣装は手が込んでいますね
このデモに参加して今一度つくづく感じたことは、核技術の利用による被害ほどの悪を地球の歴史は知らないということです。「核は人類を含む自然全体を捕囚にしている」とは故高木仁三郎氏も早くから述べていたことですが改めてそう思います。

 「核の平和利用」が人間が考え出した最悪の大嘘であることはチェルノブイリ事故の現状一つ見ても明らかにもかかわらず、フクシマ事故の罪深さをまだ自覚できない社会とはなんと情けなく無責任なそれでしょうか。
 事故は7年後の今でもまだ始まったばかりなのです。被害は継続して広がっています。わたしの孫たちがわたしの年齢になる70年後にもまだまだ収束していないような質のものなのです。絶対に許されるべきものではありません。
 
 飯館村の長谷川健一氏は先日ある講演で→「悪魔みたいなものを相手にしている」と述べていますが、その通りです。7年後の現在も73000人もの震災難民が日本にはおり、この人々は次第に忘れ去られようとしているのです。その中には原発難民という二重の被災者が多くいます。
 
 朝日新聞が本日11日付で→「震災から7年 『心の復興』への長い道」と題する社説を書いています。そこには次のような言葉があります:


 あらがいようのない突然で圧倒的な力。目の前で理不尽に奪われる無数の命。自分だけが生き残ってしまったという自責の念。家族も、財産も、生活の基盤も根こそぎ奪われ、ふるさとに戻ることもできない。震災被害の特徴は、73年前と重なる。

          
 と戦争体験と比較した上で、


 被災者一人ひとりの心のそばにいて、時が満ちたときに語れる相手となる。そういう存在でありたい。

との言葉で結んでいます。
 この社説は、わたしの見るところ、めったにない優れた社説ですので全文をお読みください。被災者は忘れ去られてはならないのです。
 ベルリンでのデモも、遠くの「被災者を忘れ去らない」という人々の意思の表現なのです。行動を通じてこそこの意思は次の世代にも受け継がれていくのです。 





 



 

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